· 

放鬆(ファンソン) 考

放鬆(ファンソン)は太極拳の核心と言われるが、心身中のことなので教授も習得も難しい。

身体面での私の現在の『放鬆』の理解は、姿勢を正しく維持するのに必要最小限の筋肉・筋力を使用し、他の力は完全に抜き去ること、である。

『リラックス』と言い換えられたりするが、リラックスとは違うと思う。

ベッドに横になったとき、表面から深層までの全ての筋肉から力を抜くことが出来、力を完全に抜き去った状態を感じる。

ベッド上では力を抜いた身体をベッドが支えているが、問題は立った状態でどうするか、動作の最中どうするかである。

私のやり方は、意識面で姿勢・形・動作を正しく維持することに注意しつつ、その中で力を最大限抜く様にしている。

力を抜いた感覚はベッドで横になって感じたものと同じである。

姿勢を正しく保つ上で一番の留意点は頭である。常に上へ軽く突き上げるようにし、体軸を真っ直ぐ垂直になるようにして、萎えるのを防ぐ。

放鬆するつもりが萎えてしまっては話にならない。