太極拳で「一動全動」という言葉がある。
一つ動けば全てが動き、動いてないところは無い、と言う意味ですね。
その通りなんですが、実際の太極拳の動作には注意が必要です。
「動」を空間的な位置の移動と理解すると間違いが起きるということです。
特に膝が要注意部位で、動きの中で空間的に固定しないといけない時が多々あります。
例えば、野馬分鬃で後坐し”碾歩”する時です。
右足後ろで左足を碾歩するとして、要領は右足の膝頭を右足甲の真上に留めて左右両胯を緩めて開き爪先を開くことが大事です。
右膝が左もしくは右に振れることはありません。
悪い例として多いのが、左脚を外側に開くのにつられて右膝を内側に連れてくることです。
右膝を固定する意識、固定する筋力が不足している問題があります。
もっと問題が起きやすいのは雲手のときの「側行歩」です。
右足に乗るときは右に膝が流れ右外乗りになり、左脚に乗るときは膝が左に流れ左外乗りになりがちです。そのとき軸足は夫々外側に曲がっています。
左右いずれの場合も膝頭を軸足甲の真上に固定することが肝要です。
固定には意識と筋力が必要になります。