『猫足』は歩法をイメージし理解するのに良い言葉だ。
日本武術太極拳連盟の”太極拳実技テキスト”に、「上歩;踵を着地させる時は、ドスンと落とさない(『邁歩如猫行』:歩みは猫の行くが如く)」とある。
猫の足運びを見ると、前に出す足を床面に着くとき音も無く柔らかくそーっと置く。
進むべきでないと感じると静かに元に引き戻す。実に慎重です。
猫は4本足なので前に出した足を静かに着地させるのは簡単ですが、人間は2本足なので細心の注意、要領が求められます。
軸足に重心を乗せて前足の踵が接地するまで、軸を揺らさないこと、重心を落とさないことが肝心です。
初心者の多くが、前進する意識が残っていて、着地の瞬間に軸を前に倒してしまいます。
そうすると踵が音を立てて着地します。
軸を崩さず、着地でなく接地です。
踵は床面に触れますが、軸に100%重心がありますので、足を戻すことが出来ます。
音も無く接地したら次は放鬆して足を踏みしめる(踏実)です。
これで『上歩』が完成です。
猫の歩みをイメージして柔らかく上歩しましょう。